フルーヴピアノ教室

「非認知能力」という言葉を、よく耳にするようになりました。
学校教育においても大きく注目され、現代の子どもたちへ求められている評価の一つだそうです。

子どもを指導している端くれとして気になりましたので、調べてみました。

認知能力とは、目に見える点数化されるもの、知能検査、学力検査などで評価されるもの。
非認知能力とは、可視化されないもの、生き抜くための能力。

語源化すると難しく感じますが、私個人としては真新しい点、物珍しさは感じられませんでした。
むしろ、これまでも求められてきたことで、レッスンで行っていることだと感じました。


テストで出題されるような作曲家の名前や音符の名前、曲名、リコーダーなどの演奏技術は認知能力。
学校では求められない、円滑なレッスンを行うため講師とのコミュニケーション力、日々練習に取り組むやり抜く力、壁を乗り越えるための挑戦と忍耐力、自身やお友だちの演奏から得る気付き、自尊心、達成感などの非認知能力。

常日頃、レッスンを通して意識的に取り組んでいることです。


なぜ、今これらが求められる時代となったのか、その理由を考えてみました。



人工知能、AIが身近になり「タイパ」「コスパ」という効率化が求められるようになりました。
分からないことは、ネットを通じて瞬時に知り得ることができるようになりました。
とても便利な反面、「考える」という作業は少なくなってきたように感じます。

ピアノに限らず、音楽は非常に「非効率的」です。今日始めて、明日できるようにはなりません。

• 音名（ドレミ）を覚える
• 音符（四分音符、八分音符など）の意味を理解する
• 拍子（４拍子、３拍子など）を理解する
• 各指の動き（レガート、スタッカート、和音、運指など）に慣れる

大前提として、上記を理解しなければなりません。
これらは学校の教科書にも記載があり、テストでも出題されるので認知能力となります。
お稽古では上記を踏まえた上で、更に次へ繋げる必要があります。

• 楽譜に書かれたことを、演奏し体現できるよう工夫して練習する
• 作曲家の意図を考察、理解し、自身の演奏で表現する
• どのような状況（レッスンや発表会）であっても、最後までやり遂げる

これらは学校では学べないこと、お稽古を通して体感できることです。


正直申しまして、これらは非常に地味で、時間のかかる作業です。
ごく僅かですが、稀にすぐにできる方もいらっしゃいます。
しかし、そのような方は私たちの想像を絶する、血の滲むような努力を続けてこられた方か、「超人的な」才能をお持ちの方です。
多くの方が、たった１回の、短時間の本番のために日々悩み、ときに涙し長い時間をかけ地道な練習を続けてこられた方です。

地道な練習を続けて、準備万端で迎えた本番でも「成功」したり「悔いが残る」こともあります。
ですが、その経験もお稽古を通してでしか体感できないこと、特別な経験です。



「効率化」を求められる時代に、敢えて「非効率的」な経験は子どもたちに新たな発見と気付きをもたらすと思います。
日常プラスαであるお稽古が、お子さま方の糧となるよう、私も指導してまいります。

レッスン内容の詳細については、こちらよりご確認ください。